
VULTRの最安値・月額2.5ドルでのVPS運用が意外と面倒だった件
東京にもリージョンがあって、月額2.5ドルから借りられる激安VPS・VULTR。実際に借りて運用してみようと思ったら、思わぬ障壁があったのでメモとして残します。
先に結論をいうと
2.5ドルプランはIPv6での接続しかできません!
IPv6に接続できる環境じゃないとSSHでログインすらできません!!
VULTRって?
世界中にサーバーを置くVPSサービス。全プランストレージはSSDで高速。それでいて、価格は月額2.5ドルからと激安なのが特徴です。
VULTRの料金プラン
| プラン | 仮想CPU | メモリ | ストレージ | 月額料金 | 時間料金 |
|---|---|---|---|---|---|
| 20 GB SSDプラン | 1 CPU | 512 MB | 0.50 TB | $2.50/月 | $0.004/時間 |
| 25 GB SSDプラン | 1 CPU | 1024 MB | 1 TB | $5/月 | $0.007/時間 |
| 40 GB SSDプラン | 1 CPU | 2 GB | 2 TB | $10/月 | $0.015/時間 |
| 60 GB SSDプラン | 2 CPU | 4 GB | 3 TB | $20/月 | $0.030/時間 |
| 100 GB SSD SSDプラン | 4 CPU | 8 GB | 4 TB | $40/月 | $0.060/時間 |
| 200 GB SSD SSDプラン | 6 CPU | 16 GB | 5 TB | $80/月 | $0.119/時間 |
| 300 GB SSD SSDプラン | 8 CPU | 32 GB | 6 TB | $160/月 | $0.238/時間 |
| 400 GB SSD SSDプラン | 16 CPU | 64 GB | 10 TB | $320/月 | $0.476/時間 |
最安値プランが安いのはもちろんだけど、全般的にメモリが多めに使えるイメージ。国内VPSだと月額2,000円くらいのプランは2GBメモリが普通だけど、VULTRでは20ドルのプランで4GBメモリが使える。
メモリをバカスカ使うアプリだと嬉しいですね。
ちなみに、最低支払いは1セントのようで、1時間あたり0.004ドルだったとしても、1秒でも使えば0.01ドル請求されます。
とりあえず最安値プランで立ち上げてみようとすると、、、、
Please be aware that the plan that you have chosen does NOT include an IPv4 address.
You will only be able to remotely connect to this instance using the IPv6 protocol. Some ISPs do not yet support the IPv6 protocol. You can attach a reserved IPv4 address after deployment for an additional cost or choose one of our larger plans which include an IPv4 address
(意訳)最安値プランはIPv6しか対応していないよ。ISPによってはIPv6での接続はできないからね。 IPv4に対応したいなら、デプロイした後に有料のIPv4アドレスをアタッチしするか、40GB以上のプランを選んでね。
IPv4アドレスの料金はというと、、、
Reserved IPs are $3/month.
月額3ドルって、それなら40GBプランにした方がよくない??
IPv6環境を用意する
IPv6インターネッ.ト接続機能 | ドコモ光 | NTTドコモIPv6インターネット接続機能をご紹介します。 SIMカード 動作確認端末一覧 - DMM mobile
スマホのテザリングは、APNの設定でIP方式を「IPv4/IPv6」にすればOK。固定回線の方は、ルーターが対応しているかによりそうですね。
SSHログインはIPv4と同じ
SSH root@IPv6のアドレス
IPv6だからといって、特別な対応はありません。@以降のアドレス部分がIPv6になるだけです。
WEBサーバーとして使うなら、IPv4環境のユーザーをどうするか?
個人的な開発サーバーならともかく、いろんな人に使ってもらう公開サーバーとなると、ユーザーにきちんとアクセスしてもらえるのかが重要です。
日本におけるIPv6の普及状況
日本でIPv6がどれくらい普及しているのかを調べてみると、、、
IPv6 Promotion Council | 日本におけるIPv6の普及状況(アクセス網におけるIPv6の普及状況調査)
■ フレッツ光ネクストのIPv6普及率
NGN IPv6契約数 NGN 契約数 NGN IPv6普及率
2012.12 67,000 8,127,000 0.8%
2013.03 121,000 8,595,000 1.4%
2013.06 182,000 9,094,000 2.0%
2013.09 235,000 9,506,000 2.5%
2013.12 287,000 10,741,000 2.7%
2014.03 357,000 11,301,000 3.2%
2014.06 426,000 13,588,000 3.1%
2014.09 613,000 15,805,000 3.9%
2014.12 854,000 16,122,000 5.3%
2015.03 996,000 16,386,000 6.1%
2015.06 1,474,000 16,782,000 8.8%
2015.09 1,803,000 16,990,000 10.6%
2015.12 2,183,000 17,270,000 12.6%
2016.03 2,590,000 17,528,000 14.8%
2016.06 3,208,000 17,941,000 17.9%
2016.09 3,813,000 18,337,000 20.8%
2016.12 4,282,000 18,675,000 22.9%
2017.03 5,797,000 18,980,000 30.5%
2017.06 7,074,000 19,387,000 36.5%
2017.09 7,695,000 19,637,000 39.2%
2017.12 8,557,000 19,869,000 43.1%
2018.03 9,662,000 20,079,000 48.1%
2018.06 10,659,000 20,182,000 52.8%
まだ、半分しかないってことですね。
設定方法を知らないユーザーもいることを考えると、IPv6しか持たないWEBサーバーというのは普通に厳しそう。
VULTRの最安値・月額2.5ドルプランは使い方を考える必要あり!!
CloudFlareなどのCDNを使えばIPv4変換をしてくれますが、あくまでキャッシュした内容について変換されるだけなので、リアルタイム性が必要なサービスでは難しそうですね。
逆に個人運用のWordPressなどは頻繁にデータの更新をしないのであれば、2.5ドルで運用ができそうです。
最低チャージが0.01ドルということを考えると、Google Compute Engineのプリエンプティブインスタンス(最大24時間しか使えないけど、その分安いプラン)なら0.005/時間(f1-microの時)から使えるので、バッチサーバーや開発サーバーならそちらの方が使い勝手も良さそうですね。
Vultrをまだ使ったことがないという方は、下記のリンクから新規登録すると、100ドル分のクレジットがもらえますので、試してみても良いかと思います。
月額400円前後のVPSならシンVPSがおすすめ
VULTRの最安値プランと同等のVPSサービスは、実は国内サービスにもあります。2025年にリリースされたシンVPSの「大容量メモリ 1GBプラン」は、1コア・1GBと従来のプラン構成からコア数を1減らしてストレージーを抑えることで、圧倒的な低価格を実現。それでもVultrの2.5ドルプランよりもメモリが多いのに、単月契約で月額540円、長期利用なら実質月額300円台と非常にコスパの高いプランになっています。
現在契約できる500円未満のVPSではファーストチョイスと言っても良いでしょう。
国内人気レンタルサーバー事業者エックスサーバーが手がけるVPSサービス「シンVPS」。後発サービスならではの豊富な機能と、メモリ、ストレージのGBあたりのコスパが非常に高いプランが魅力です。
長期利用を前提とするなら、やはりXServer VPSも検討したいところ。キャンペーンを使えば、3コア・2GBプランが最安値で月額500円代で利用できるため、円安の今で考えるとVultrよりも圧倒的に安く、しかもスペックが上のVPSを契約できます。
国内人気レンタルサーバー事業者エックスサーバーが手がけるVPSサービス「XServer VPS」。後発サービスならではの、豊富な機能とハイスペックなサーバーが魅力です。
この記事で紹介したサーバーサービス
「時間料金」「豊富なテンプレート簡単立ち上げ」など、他社サービスに先行してVPSをより使いやすくしたVPSサービス「Conoha VPS」。登録アカウント数が55万人を突破し、名実共に国内VPSベンダーの中でも人気上位VPSとなっています。
国内の大手サーバーベンダーであるNTTPCコミュニケーションズが手がけるVPSサービス。VPSサーバーとして必要な機能に絞り込むことで、国内最安値クラスの料金を実現しつつ、安定して使いやすいVPSサーバーになっています。
価格は記載がある場合を除き、すべて税込みです。
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